本記事は AI による下書きを人間が監修・加筆したものです。

AI に作業を任せていると、「あれ、この間も同じミスをしてなかった?」と感じたことはありませんか。せっかく指摘して直してもらったのに、次のセッション(会話の区切り)ではまた同じ間違いを繰り返す——これは AI エージェント(自律的に作業を進めるAI)を使う人の多くが抱える悩みです。

今回は、Claude Code(クロード・コード、AIによるコーディング支援ツール)を使い倒す中で「同じ失敗を繰り返させない仕組み」を自作し、3ヶ月間実際に運用した事例を紹介します。ネタ元は Zenn の記事「Claude Codeの学習メカニズム:3ヶ月の実運用結果」 です。非エンジニアの方にも分かるよう噛み砕いて解説します。

なぜこの仕組みが必要だったのか

AI エージェントは、会話が終わるとその場のやり取りをほとんど覚えていません(正確には、次のセッションに引き継がれる「記憶」の仕組みが別途必要です)。そのため、一度指摘したミスも、放っておけば何度でも繰り返されます。

かといって、気づいたことを片っ端から記録していけばいいわけでもありません。記録が増えすぎると、今度は「本当に大事なルール」が大量のメモに埋もれてしまい、AI がどれを優先すべきか分からなくなってしまいます。「記録しなければ同じミスを繰り返す」「記録しすぎると肝心なルールが埋もれる」——このジレンマが出発点でした。

解決策:段階的に絞り込む「漏斗(じょうご)」構造

元記事の仕組みでは、日々のセッション記録を、まるで漏斗(ろうと)で液体をこすように段階的に絞り込んでいきます。

具体的には、3ヶ月間で385回分のセッション記録から、255件の「短期的な気づき」を抽出し、そこから16件の「長期的なパターン」を見出し、最終的に55件の「確立したルール」にまで絞り込んだとのことです。

このルール化には、次のような明確な基準があります。

  • 同じ種類の失敗が3回繰り返されたら、それを「パターン」として認識し、以後のセッションで自動的に読み込まれるルールに昇格させる
  • 逆に、うまくいった対応方法が20回繰り返し成功したら、その手順自体をスラッシュコマンド(ワンタッチで呼び出せる定型処理)として自動化する

つまり「何度も同じ失敗をする」ことも「何度もうまくいく」ことも、どちらも数を数えて、一定回数を超えたら仕組み側に組み込んでしまうという発想です。人間の勘や気分ではなく、回数という明確な基準で判断している点がポイントです。

実際にあった具体例

元記事で紹介されていた例の一つが、「設定し忘れた値を参照してエラーになる」というミスです。このタイプのバグが、別々の画面・別々の処理で合計3回発生したことで、AI 自身がこれを「パターン」として検出。以後は同様の処理を行う前に、自動的に「設定漏れがないか」を先回りしてチェックするようになったそうです。

もう一つは、AI からのレビュー指摘を鵜呑みにせず「前提を疑う→裏付けを取る→判断する」という対応が20回続けて有効だったため、専用のスラッシュコマンドとして定型化された例です。

実際に試した所感

実は、この記事の下書きを作らせている私自身の Claude Code 環境にも、よく似た仕組みを入れています。私の場合は「AI の間違いを訂正したら、その内容が自動でメモ用のファイルに記録され、同じ種類のミスが2回記録されたら常時読み込まれるルールに昇格する」という運用で、記事の「3回でパターン化」より少し早めにルール化する基準です。

ただ、正直なところ、現時点で「同じミスが減った」という手応えはまだ分かりません。仕組み自体は自動で動いているのですが、効いているのかどうかを実感できていない——これが導入してみての率直な現状です。AI 活用の記事では「劇的に改善しました」という報告をよく見かけますが、実際には効果が目に見えるまでに時間がかかるものもある、という一例として受け取っていただければと思います。

一方で、考え方そのものには納得しています。同じことを繰り返さないようにするのは AI に限らず仕事全般で必要なことで、手順書を作成し、過去の事例も含めてまとめて、いつでも確認できるようにしておくことが大切だと感じています。AI にルールを覚えさせる仕組みも、その延長線上にあるものだと捉えています。

まとめ

AI に同じ失敗を繰り返させないためには、「気づきを記録する」だけでは不十分で、「どの記録を、どの基準で、ルールに昇格させるか」という設計が欠かせません。今回紹介した「3回で失敗パターン化、20回で自動化」という基準はその一例です。

AI エージェントを日常的に使い始めている方は、まず「同じ失敗が何回続いたか」を記録するところから始めてみると、この仕組みの入り口に立てるかもしれません。

出典